ゴルフはドライバーやアイアンなどのクラブを使って小さなボールを遠くに飛ばしたり、数ヤード先のホールに入れなければなりません。練習場では平らな地面でも実際のゴルフ場は凸凹だったり前後左右に傾いていたり。
自然を楽しむゴルフならではの様々な状況にも対応しながら、同時に、安定したボールコントールをしてゴルフを存分に楽しむために必要なのがゴルフのフォームの基本です。この記事では初心者はもちろん、ベテランでも時々振り返りたい、ゴルフの正しい基本フォーム、正しいスイングについて、プロのゴルフコーチ・インストラクターが分かりやすく解説します。
スイングの前に!正しいグリップ・アドレス・スタンスの基本を身につけよう
「何となくクラブを握り何となく構えてスイングをする」このような感じでゴルフをしている方は多いのではないでしょうか。
しかし、残念ながらそれでは上達には繋がりません。
正しい
- 握り方(グリップ)
- 構え方(アドレス)
- スタンスの取り方
の基本を知り、身に付けることでスイングが安定し上達に繋がりますので、それぞれの基本についてご紹介していきます。
いきなりスイング、いきなり素振りでは絶対に上達しない
練習場やコースに行っていきなりクラブを持ってスイングをしていませんか。
ゴルフの動きはとても身体を使った動きになり、ストレッチや準備体操なしでいきなりスイング動作に入ると肩や腰に負担がかかり怪我に繋がってしまう可能性も大いにあります。
必ず、最初にストレッチや準備体操を行い、素振りは大振りではなくゆったりと小さなスイングから徐々に大きなスイングにしていくことをオススメします。
正しいフォームの基本とは?
正しいフォームの基本はスイングプレーンに沿ってクラブを動かせるか、ということと手振りにならないための身体の使い方です。
そのためにもまずはアドレスの形や握り方が正しくないと、正しいスイングプレーンになるための正しい体の使い方で動かすことができません。
握り方やフェースの向き、アドレスの取り方の基本を身に付けて正しいフォームにしていきましょう。
正しいグリップ クラブの握り方の基本
グリップの基本はいくつかありますが、まず左手の中指から小指の3本で握り、手のひらで握るのではなく指の付け根にグリップを当て、指で握るようにしましょう。
次に一番スイング影響が出るであろう手の向きは、やや漠然とはしてしまいますが、両手の親指が真上より右にあるぐらいを目安にして、左手の親指に右手の親指が重なるような形で握ってみてください。
正しいアドレス(構え)の基本
正しいアドレスの基本は、猫背にならないで前傾姿勢をとることではないでしょうか。
前傾姿勢だけ意識するとどうしても猫背になってしまったり、頭が前に出すぎて格好悪い姿勢になってしまいます。
意識する点はお尻を突き出すように骨盤のところから前傾し、重心をつま先よりにすることで姿勢がきれいになり、正しいアドレスに近づきます。
正しいスタンスの基本
正しいスタンスの基本は、狭すぎたり広げすぎたりせず肩幅ぐらいを目安に広げることです。
スタンス幅が広すぎたり狭すぎたりすると体重移動が上手くできずに手打ちや無駄な動きに繋がりやすくなってしまいます。
そして、つま先の位置が片足が前に出すぎたりしないで揃えるようにしましょう。
つま先がずれていると、それだけで構えた際の体の向きがバラバラになり目標に対してまっすぐ構えれなくなってしまいます。
スタンスはクラブによって変わる
正しいスタンス、といっても全てのクラブが同じ形というわけではなく、クラブによってボールの置く位置が変わることも含めてスタンスも多少変化します。
また、アプローチなどのフルスイングしない打ち方や小さなスイングの際もスタンスは変わってきます。
クラブが長くなるにつれてスタンス幅も少しずつ広くなるということ、小さいスイングの際は足一つ分開く程度のスタンス幅でも良いという事を頭において正しいスタンスを覚えましょう。
正しいアライメントの基本
握り方、アドレス、スタンスの基本が理解できたら次はそれを目標に対して正しく構えることができるかどうかです。
基本は理解していても全く目標に向けていなかったら意味がなくなってしまいます。
両肩、両足、腰のラインがそれぞれ目標に対して平行になるように構えることが基本となるので、向きを正しくして正しい握り方、アドレス、スタンスをとっていきましょう。
正しい前傾角度
アドレスの基本にもなる前傾姿勢は、クラブの長さや体格によって異なりますが前傾が深すぎても良くないし、棒立ちすぎても良くありません。
上体を倒して前傾を作るというより、重心をつま先重心にして骨盤からお尻を突き出すようなイメージでおへそが斜め下を向くような感じで倒すことで深すぎず浅すぎない前傾角度が作れます。
正しい腕の位置
構えた際に腕の位置が安定しないと、同じスイングができなくなり安定しなくなるので腕の位置を覚えましょう。
前傾姿勢などアドレスが出来たらその姿勢を崩さないように、肩から真下に腕を下ろすようなリラックスした形が自然です。
手元をグッと下げて構えると、前傾が深くなりすぎてしまったり頭が下がってしまったりして、身体と手の位置が近く窮屈になります。
逆にクラブを吊るように手元を浮かして構えると前傾が起き上がってしまったり身体と手の位置が離れすぎてしまうので、正しい腕の位置で構えられるようにしましょう。
正しいヒザやスネの角度
アドレスの姿勢や目標に対しての向きが安定しない方は膝の向きや曲げる角度を正してみましょう。
「スタンスの基本」にも記述したようにつま先の位置を揃えるのと同時に膝の位置も揃えるようにして構えると向きが安定します。
また、膝の角度は曲げるというよりは力が抜けてリラックスした状態でやや曲がる程度で良いでしょう。
正しい重心の位置
正しい重心の位置はつま先重心が基本となります。
かかとに重心がかかると上体が起き上がってしまったり、お尻が下がり前傾姿勢が取れなくなります。
また、つま先重心と言ってもつま先に重心をかけすぎるとふらついたりバランスが崩れたりするので、土踏まずよりつま先側ぐらいの感覚で構えると良いでしょう。
正しい上半身の軸の位置
構えというよりスイング中の正しい軸の位置にはなりますが、構えた頭の位置が前後左右にブレないのがポイントです。
頭の位置がブレると重心の位置もずれたりして上体も前後に動きすぎたりするのでスイングが安定しなくなります。
また、軸がぶれる方は腰が左右に流れる方も多いので構えたその位置でクルッと回転するようにしましょう。
肩・太もも・スタンスラインが平行であることを確認
つま先、膝が揃うようにと説明しましたが、それと同じように構えた際は肩もつま先や膝と平行になるように構えましょう。
目標に対して、つま先・膝・腰・肩のラインを平行に構えることでアドレスの向きが安定し目標に向かって振ることができます。
正しいアドレスを作る順番とは?
正しいアドレスを作るためには、順番に形を決めていくことが大事になります。
アドレスが安定しない人は漠然とクラブを置いて特に意識をせずに構えてしまうので安定しません。
- まずクラブをまっすぐにして、
- グリップを正しく握り
- クラブの長さに合わせて構えの距離感を決めて
- アドレスの姿勢を作る
という順番だと安定するのでオススメです。
正しいアドレス(構え)の自宅での練習方法
自宅でできるアドレスの作り方の練習法ですが、鏡を見ながらやることをオススメします。
鏡に対して横向きにまっすぐ立った状態から、重心をつま先側にして骨盤からお尻を突き出すように倒し『く』の字を作るようにしましょう。
一気にアドレスの姿勢を作るというより、上半身の形を確認、下半身の形を確認というように部分部分で形を確認しながらやることでどこが悪いかなどが明確になります。
練習グッズを使う
今やゴルフの練習グッズをたくさんありどれを選ぶべきかわからないほどです。
練習グッズを使って練習する際は、今自分がどのような課題を持っているかを自覚してそれを改善するためのグッズを選びましょう。
なんとなく「今流行っているから」とか「プロがこれ使ってたから」で選んでしまうと、違う癖がついてしまったり。改善すべき点が改善されなかったりするので、自分に合う必要なグッズを選ぶようにしましょう。
スマホのカメラやアプリで確認する
1人で練習する際にオススメなのが、自分でスマホスタンドなどを利用してスマホのカメラでスイングを撮影して、チェックするということです。
撮影した動画にスイングプレーンや身体がブレていないか線を引いたりしてチェックできるアプリや、飛距離やスイングスピードなど計測できるアプリもあるので、活用してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
正しいアドレス、正しいスイングといっても骨格や体形によって出来る出来ないが出てくると思います。
基本の形、基本の動きを理解していることで、ポイントポイントで意識しなければいけない箇所が明確になります。すると、一番大事なインパクトで崩れることが少なくなり、スイングが安定します。
まずは基本を学んで自分のスイングに生かしていきましょう。