「ゴルフをしていて左手の親指の付け根が痛くなった!」
手の異常なのか、それともスイングやグリップに問題があるのか、心配ですよね?
ゴルフでは気づかないうちにひじ、手首、指の付け根が痛くなっていることがあります。ひじのときはゴルフひじといって、テニスひじとも共通点があり、ひじと前腕をつないでいる筋肉の腱に炎症が起こった状態のことです。
手首や指の付け根の痛みは手首や関節に炎症が起きている状態です。ゴルフの場合は利き手の反対側(右打ちの人は左手)に発生しやすい症状です。専門家ではないので、詳細は避けますが、この症状でもっとも多いのは「母指CM関節症」という病名のものが多いようです。
この記事ではゴルフで左手の親指の付け根が痛い、しびれるという症状が出ることがある理由やその対策法を分かりやすく解説します。
痛くなる原因は何?
利き手の反対側の親指の付け根が痛くなるのは、右打ちの人の場合、トップでは左手の親指の平にクラブの荷重がかかります。そこからダウンスイングをすると、更に左手の親指に負荷がかかってきます。それを繰り返していると親指の付け根の関節が炎症を起こしてしまいます。
では、具体的にゴルフではどんな動きが悪影響を与えてしまうのでしょうか。
グリップの握り方
要因の一つはグリップの握り方で、グリップを強く握る人は左手の親指に負荷がかかりやすくなります。グリップをしたときは、左手の親指の上に、右手の母指球が覆いかぶさっています。つまり自由が利きにくいので、利き腕より弱い左親指の根元に力が集中しやすくなります。
コックの入れすぎ
コックを入れすぎると、左親指の平に大きな荷重がかかります。特にトップからの切り返しの時にはクラブの重さと遠心力がかかるので、かなりの重さが左手の親指にかかってきます。
ミスショット
ダフリをすると地面からの衝撃が関節に大きな影響を与えます。ダフったときは、親指の付け根だけではなく、左手首全体、左ひじにも影響を与えます。
コースでは芝が柔らかいので、ダフっても地面を削り関節への負荷は少なくなりますが、バンカーではクラブフェースが深く潜り込んでしまい、クラブが振り抜けないで関節を痛めてしまうことがあります。
痛くなったときの対策はあるの?
痛くなったらしばらくゴルフはしない方がよいのでしょうか。それとも何らかの対策はあるのでしょうか。医療機関に行くと、間違いなく、「しばらくゴルフはしない方が良い」とアドバイスされます。
しかし、大好きなゴルフを休むのは落ち込むので「何とかしたい」、という人も多いでしょう。
基本的には治療
親指の付け根に限らず、手首やひじ、そして腰などが痛くなったときは、休養もしくは治療が原則です。無理をしてもスコアはまとまりませんし、症状が悪化してしまう可能性もあります。
できるだけ早めに診療を受けて、適切な治療を行うことが大切です。
ベースボールグリップを試す
松山英樹選手や丸山茂樹選手、そして渋野日向子選手もこの母指CM関節症になっています。丸山選手はグリップをベースボールグリップ(テンフィンガーグリップとも言われる)に変更して対応したそうです。渋野選手もベースボールグリップを試しましたが、しっくりと来ていないようです。
ベースボールグリップとは?
ベースボールグリップとは右手を左手の上には乗せないで、野球のバットのように握る方法です。右手の母指球が左親指を圧迫しないので痛みが減ります。また、ベースボールグリップはスイングの負荷が右手にも分散できるので、症状の悪化を軽減できます。
プロでもベースボールグリップの選手はいる
左手の親指のケガをしていないプロも、このグリップをしているプロはいます。男子プロの時松隆光選手や女子プロの勝みなみ選手です。あまり使用されていないグリップ方法なので、心配かもしれませんが、試してみる価値はあります。
コックを使わない
コックをすると左親指への負荷は高まりますが、コックをあまりしないショットをすると患部への影響が減少します。
例えばラインショット(ライン出しショット)と呼ばれる打ち方は、プロが方向性を出したいときに使用する方法で、あまりコックは使いません。親指の付け根が痛いときはこのショットに練習に集中すると、ボールの正確性が高まって良いスコアが出るようになるかもしれません。
ショートサム?ロングサム?
左手の親指をグリップに対して長めに握るのがロングサムで、グリップに対して親指を立て気味に握る方法がショートサムです。ロングサムは手のひら全体でグリップを握るパームグリップの人に多く、指で握るフィンガーグリップの人はショートサムになりやすくなります。
母指CM関節症になる人はショートサムの人が多い、いやロングサムの方がなりやすい、などいろいろと意見があるので原因は断言ができませんが、実際に左指の付け根がいたくなったらショートサムの人はロングサムにしてみる、ロングサムの人はショートサムにしてみる、などのテクニックもあります。少しグリップを変更するだけで痛みが軽減できるかもしれません。
まとめ
左の親指付け根が痛くなったら、無理をしないで診療を受けた方がよいのは間違いありません。それでもゴルフを続けたいという人は、今までの打ち方を変更して、より負荷のかからない方法を見つけてみましょう。